日本では古来より、季節の変化や天災など人知が及ばない自然の力を神として崇め、長く信仰してきました。その神を身近な形でお祀りするのが神棚。ここでは、そうした日本文化に深く根付く神棚の祀り方や榊(さかき)にまつわる雑学などについてご紹介します。
榊(さかき)は、暖地の山林に自生するツバキ科の常緑樹。その名前の由来には、神が住まう聖域と人間社会との堺を示す木=「堺木(さかいき)」や、栄える木という意味の「栄木(さかき)」が転じたとする説など諸説があり、古くから神木として神社での神事などに用いられてきたそうです。つまり、神棚に榊(さかき)をお供えするのは日本独自の文化。できれば日本の自然の恵みを受けて育った、良質な国産の榊(さかき)をお供えしたいですね。
神棚は神を祀る神聖なものですから、その設置場所には気をつけたいところ。いくつか参考例として下に挙げていますが、いずれにせよ「その家や会社・事務所などのなかで、最もよい場所」を心がけることが大切だといえます。
毎日お供えする物は、米・塩・水。もちろん、榊(さかき)はいつも絶やさないようにすること。神棚にお供えする榊(さかき)は毎月の1日と15日に取り替えるのが一般的とされていますが、枯れてきたらこまめに新しいものと取り替えることも必要です。そのほか、お正月やお祭り、家庭内のお祝い事(結婚、誕生日、七五三など)がある時には、酒や季節の初物などもお供えしてお参りしましょう。
神棚へお参りする時の作法は、「二拝二拍手一拝」が基本。その手順を分かりやすくご紹介します。
【ちょっと一言】より丁重にお参りしたい時は、まず二拝してから祝詞(※家族の健康などを心の中で祈念しても可)を奏上し、その後に「二拝二拍手一拝」を行うという方法もあります。